アドバンス助産師の活躍

第10回 武者 文子様
(母乳育児相談室まんまはうす院長)

はじめに、自己紹介をお願いいたします。

宮城県助産師会の保健指導部会長をしております。母乳育児相談室まんまはうすを仙台市太白区に開業してちょうど20年目になります。

勤務先について教えていただけますか。

開業のきっかけは、東京に住んでいたころに一歳児の子育てをしており、東京都内や埼玉、神奈川で開業していらっしゃった先輩方の活動を勉強させていただき、いつか自分も子育て世代の力になりたいと考えておりました。  仙台に帰ってきてからは新生児訪問とクリニックの夜勤のお手伝いをしていましたが、そこで出産される方が多くなり、ベッドがまわらなくなったところで入院日数が減り、退院後の継続ケアが必要な方が増えたため、その方たちの支援を目的に始めました。そうしましたところ、助産師仲間、口コミなどで存在を知られるようになり現在にいたっております。

普段のお仕事の様子はいかがですか。

ふだんは授乳トラブルの相談、授乳を中心とした育児相談が主です。11年前に宮城大学大学院で乳腺炎のつらさの研究をしたことがきっかけで乳腺炎についての理解を深めました。おとなりのビルの外科の先生とWHOの乳腺炎の治療指針を確認しあい、クリニックと協力して治療と授乳のケアをしているのも大きな特徴です。

活動内容や活動を始めた経緯などを教えていただけますか。

もともとは友人の助産師に仙台市からの依頼がきたことが活動の始まりです。一人では心細いということでチームを組んで授業に行くようになりました。はじめは助産師だけでしたが、現在はメンバーに女優もいて学校の先生にお産の劇に登場してもらって小学校、中学校などで出前授業をしています。

武者先生は多岐にわたるご活動をされていらっしゃいますが、まんまはうすや「うぶごえ座」の他にされているお仕事・ご活動について教えていただけますか。

他には仙台市の新生児訪問。宮城県助産師会に委託されている中学生対象の「未来を豊かにするための教育事業」では育児サークルのママさんたちと赤ちゃんに中学校に来てもらい、中学生に赤ちゃん抱っこ体験をしたりする授業のチームリーダーをしています。  そのほか、タクシーを利用するママたちが多くなっているため、タクシードライバーさん対象の接遇研修も担当しております。

妊産婦さんからのご相談や、地域活動に携わるなかで、近年、特に要請の多い支援・ケアはありますか。それはどんなことでしょうか。

どんな方でもまずはネットでいろいろ下調べしてくる方が多く、情報に振り回されていらっしゃるママが多いです。自分なりに試してみるということを怖がっているように感じることも多いです。

助産実践能力のブラッシュアップのためにしていることや、今後、企画・受講したい研修などはありますか。

最近は話し方、伝え方をとても意識していて、精神看護や哲学を勉強中です。目下の目標はアドバンス助産師を無事に更新できるように仲間たちと更新のための勉強会を様々企画中です。

助産師になってより磨かれた部分、得意になったことはどんなことでしょうか。

難しいことをわかりやすく説明するということでしょうか。助産師の勉強は自分の子育てや家族との関係、友人との関係にもとても参考になっていると日々感じています。

最後に、アドバンス助産師としての抱負や、これからアドバンス助産師を目指す方へのアドバイスをお願いします。

正直アドバンス助産師という資格は、まだ自分のキャリアにあまり役にはたっておりません。しかし勉強を続けることで助産師としての力をアップデートでき、ほかの方へ示せる指標のひとつとなっていくものと感じています。今後も研鑽を積んでアドバンス助産師の名前も自分たちで育てていけたらと思っています。

ご協力ありがとうございました。