アドバンス助産師の活躍

第1回 小嶋 由美様 (ことり助産院院長)

はじめに、自己紹介をお願いいたします。

 平成9年に助産師になりまして、現在22年目となります。平成21年に母性看護専門看護師の資格を習得しました。
 「アドバンス助産師」は初年度に認証を受けました。

院長を務めておられる、ことり助産院のことを教えていただけますか。

 平成26年に自宅の横に助産院を開院しました。栃木県では出産できる助産院は現在3施設しかないこともあり、市外からも出産に来られます。
 「ことり助産院」としたのは「小嶋」の苗字からでもありますが、「ことり」のさえずりが聞こえるような静かでのんびりした場所にある助産院、という雰囲気を伝えたくてこの名前にしました。

開業の経緯はどういったことでしたか。

 私が通っていました助産婦学校では、助産院での実習や地域での実習が充実しており、校長先生や講師にも開業をされている助産師さんがたくさんおられました。その方たちから学んでいく中で、自然と「助産師になったらいつか開業できるように、知識や技術を身につけないと」と思うようになっていたように思います。

ことり助産院での、普段のお仕事の様子はいかがですか。

 分娩をされる方の妊婦健診や出産のお手伝い、産後は一か月健診まで助産院でみています。入院中はお産後の滋養を考えた食事作りをしたり、掃除・洗濯など身の回りのお手伝いをしながら、産後のお母さんや赤ちゃんとのんびり過ごしています。
 他に、助産院には育児相談や乳房ケア、妊婦さんや産後の方が整体のために来院されます。また、地域の学校や行政の方からの依頼を受けて、中学生から大学生への健康教育、両親学級に出向いています。助産師学生さんや、助産師さんへの講義や実習もお引き受けしています。

助産師を目指した理由やきっかけはどんなことでしたか。

 看護師になって就職したのが大学病院の産婦人科病棟でした。そこで出会ったいろいろな心配事を抱える妊婦さんの看護を通じて、もっと産科のことを学びたいと思うようになりました。病棟の師長や主任さんがとても尊敬のできる方で、その方たちが助産師であったことも、助産師にあこがれたきっかけになりました。

この仕事の難しさを教えてください。

 やはり、母親と赤ちゃんの二人の命がかかる出産に携わる仕事であることだと思います。
これまで800名ほどの出産に携わりましたが、お一人お一人の人生の一大事になることですので緊張しながら助産師の仕事にあたっています。

この仕事の良いところを教えてください。

 「お産楽しかった~幸せでした~またここで産みたいです」と笑顔で退院される方を見送ったとき、「助産師になって良かったな~」と感じます。
 赤ちゃんのお兄ちゃん・お姉ちゃんになったばかりの子たちが「ことりせんせーい」と呼んでくれ、馴染んでくれるのも可愛くて嬉しいです。

助産師になってより磨かれた部分、得意になったことはどんなことでしょうか。

 助産師になったばかりの時期は、お産を上手くお手伝いできる助産師になれるよう頑張らないと、と思っていました。
 それが、段々と「お産が上手くいく」ためには、産む方が上手くお産できるために、日頃からの身体づくりや心構えについてお手伝いすることが助産師として大切であることに気が付きました。そのようなお手伝いにつながるフィジカルエクザミネーションが得意になりました。

最後に、アドバンス助産師としての抱負や、これからアドバンス助産師を目指す方へのアドバイスをお願いします。

 助産師になって、どのようなことを経験し何ができるようになったか、足りないことはないかを意識しながら少しずつ研鑽を重ねることで、今よりもさらに助産師として成長していきたいと思っています。その指標として「アドバンス助産師」を更新できるよう今後もチャレンジしたいと思います。

ご協力ありがとうございました。