ご挨拶
理事長 堀内成子
助産師は、新しい家族の誕生に寄り添い支援する専門職である。
本機構は、助産師を育成する助産教育に関する「固有の評価基準」を持つ団体として2008年(平成20年)に文部科学省から「専門職大学院のうち助産分野の評価を行う認証評価機関」の認証を得て活動している団体である。
認証評価には、機関別認証評価と専門分野別認証評価とがあり、本機構は後者を担う。専門職大学院を置く大学は、当該専門職大学院の設置の目的に照らし、教育課程、教員組織その他教育研究活動の状況に関し、5年ごとに、認証評価機関の実施する評価を受けることが義務付けられている。
(学校教育法第109条、同法第123条等) 認証評価制度の目的は、評価結果を公表することにより、大学・短期大学・高等専門学校・専門職大学院が社会による評価を受けるとともに、評価結果を踏まえて大学等が自ら改善することを促し、教育研究活動等の質を向上させることである。
専門分野別評価は、欧米を中心に国際的な潮流になっており、わが国においても国際社会の一員として必要不可欠なものとなりつつある。国際助産師連盟は、助産師教育の世界基準(2010)を定め、質の高い、エビデンスに基づく医療サービスを女性、新生児、家族のために提供するために、十分に資格がある助産師を育成することによって、世界中の助産師を強化することにつながると謳っている。
わが国の助産師教育は多様な形態をとり、専修学校・専門学校・短期大学専攻科・大学・大学専攻科/別科・大学院で展開されている。専門分野別認証評価の受審義務はないが、公正・中立な第三者機関による専門的・客観的立場からの評価を受けることは、よりよい教育を実施・評価・改善していくという好循環をつくる。 助産専門職大学院以外の教育機関も専門分野別評価に取り組むことを推奨する。
さらに本機構は、助産実践(助産所および個人)の第三者評価を実施している。第三者評価を通じて、自己評価と点検に努め、社会への説明責任を果たすことは、助産実践の質保証を確保することにつながる。個人の認証評価に関しては、助産実践能力習熟段階(CLoCMiP)レベルⅢに達している者を認証し、これを「アドバンス助産師」と称する。実践の根拠となる研究エビデンスが変化し、医療システムが変動を遂げていく現代において、助産師が継続的に自己啓発を行い、専門能力を高めることは、必須の要件である。定期的な第三者評価は母子・家族をはじめとした利用者の願いであり、グローバルスタンダードになっている。
本機構の使命は、母子の健康・福祉の向上に寄与することができるように、助産分野の評価活動を誠実に粛々と積み重ねていくことである。