Vol.8
2021.02.10
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はじめての更新申請
2020年CLoCMiPレベルⅢ認証結果を踏まえて一般財団法人日本助産評価機構理事長からご挨拶申し上げます。
一般社団法人日本助産評価機構 理事長
堀内 成子
2020年度は、アドバンス助産師はじめての更新申請の年度でしたが、だれも予想しなかったCOVID-19パンデミックで世界中の人々が、日常生活の制約を余儀なくされた年でした。新規申請および更新申請時期を2か月延期しての申請受付となりました。
その結果、CLoCMiPレベルⅢ認証制度において、新規申請者728名のうち727名(辞退者1名)、更新申請者2,668名のうち2,666名(試験不通過者2名)、合計3,393名がアドバンス助産師として認証されました。2021年1月現在のアドバンス助産師総数は、10,569名です。感染症の流行という未曽有の危機に直面し、日々過酷な環境にありながら、アドバンス助産師として認証されましたことに心からお祝いを申し上げますとともに敬意を表します。また、やむを得ない理由があり更新時期の延長申請をした皆様も675名いらっしゃいますが、ぜひ、更新を諦めずに最新情報を集めていただくことを願っております。
助産師は、専門職業人として生涯をかけて学ぶという習慣を身につけています。その中でCLoCMiPレベルⅢ認証制度を活用していただき、日々の助産実践と自己研鑽の客観的な評価を可視化することは、利用者はもちろんのこと、チーム医療のメンバーからの信頼につながります。
2015年の認証制度開始以後、本制度の認知度は徐々に高まってまいりました。それに伴い、各都道府県職能団体や様々な領域の学術集会主催研修が増え続け、2020年は、コロナ禍により中止や延期となる研修があったにも関わらず、約230件の必須研修・ステップアップ研修が実施されました。ウィメンズヘルスケア研修を含めればさらに多くの研修が開催されており、アドバンス助産師への関心の高さを知ることができます。
CLoCMiPレベルⅢ認証制度は、申請に至るまでの実績を評価します。日本助産評価機構では、2020年4月に、パーソナルポートフォリオ機能をもつ新しいシステム『アドバンス助産師プラットフォームAdvanced Midwife Platform(AMP)』をリリースしました。助産実践の経験数や受講実績をAMPに登録することで申請要件の達成度が一目でわかるようになりました。お近くにいる同僚助産師の皆様、そして将来アドバンス助産師を目指す方にもこのAMPをご紹介ください。どなたでも登録できます。日常業務での経験例数の記録や学会参加記録を集積して、施設内の評価にもご自身のポートフォリオとして活用できます。
アドバンス助産師は、院内助産・助産師外来を自立して行うことができるスペシャリストであると同時に、質の高いジェネラリストでもあります。どのような対象者に対しても、その場に応じた知識・技術・能力を発揮し、安全できめ細やかな助産ケアを提供できる能力をもち、必要な医療福祉専門家への連携ができる、それがジェネラリストであるアドバンス助産師です。
アドバンス助産師認証制度は、常に社会の要請に応じて要件の検討を続けます。皆様からの現場の声をお聞かせいただき、多くの女性、妊産婦とその家族から求められる専門職の認証制度にしていきたいと思います。