Vol.8
2021.02.10
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保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正について
将来を担う看護職員を養成するための看護基礎教育の内容と方法に関する「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」の一部が改正されました。
公益社団法人全国助産師教育協議会 副会長 渡邊 典子
「看護基礎教育検討会報告書」(令和元年10 月15 日公表)では、保健師、助産師、看護師及び准看護師教育のカリキュラム改正案がとりまとめられ、令和2年10 月30 日に保健師助産師看護師学校養成所指定規則(昭和26 年文部省・厚生省第1 号)の一部を改正する省令が公布された。この度の改正目的は、「看護職員をとりまく状況の変化及び現在の教育実態を踏まえ、将来を担う看護職員を養成するための看護基礎教育の内容と方法について、現行の養成課程の枠組みを維持しつつ具体的な検討を行う」ことである。
この中の助産師教育見直しポイントは、①総単位数を28単位から31単位へ(総時間削除、助産診断・技術学8→10、地域母子保健学1→2)、②助産師特有のテクニカル・スキル(手技)を技術項目とし、卒業時の到達度を新たに策定、③周産期のメンタルヘルスやハイリスク妊産婦への対応、正常逸脱の判断や異常を予測する臨床判断能力、緊急時対応の実践能力育成の助産診断・技術学の内容充実、④産後うつや虐待等の支援として、地域における子育て世代を包括的に支援する能力として、産後4か月程度までの母子のアセスメント能力強化のための地域母子保健内容を充実、の4つである。
公益社団法人 全国助産師教育協議会では、日本の人口動態や社会情勢、周産期医療、女性医療などの動向を見据え、約10年後の助産師に求められる能力を想定し、令和2年6月に「望ましい助産師教育におけるコア・カリキュラム2020年版」を公表した。全国の助産師養成所は、本改正の令和4年度の入学生からの適用に向け、カリキュラム改定作業が進められているところである。是非とも「望ましい助産師教育におけるコア・カリキュラム2020年版」を活用していただければ幸甚である。