Vol.8
2021.02.10
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【アドバンス助産師ご当地情報】
「産後ケア事業とアドバンス助産師~伊藤産婦人科医院の取組」
世代別ライフステージへの助産師の関わり産後ケアから世代別ライフステージへの関わりへと、地域を支えるアドバンス助産師の取組をご紹介します。
医療法人伊藤産婦人科医院 助産師
山口 千明
当院は兵庫県尼崎市にある産婦人科無床診療所です。かつては分娩を取り扱い、院長の「妊産褥婦のケアは医師と助産師との協働が必要」との理念を基に、分娩介助はもとより助産師外来・1か月健診時にも必ず助産師が関わりケアの提供を行う中で、産後ケアの重要性を感じ、産後2週間健診を地域の診療所としては早くに取り入れるなど、助産活動を行っていました。現在、分娩はセミオープン方式で提携病院や帰省病院にお願いしていますが、助産ケアを通じて地域の母児を支えていきたいと、助産師外来に始まり、乳房ケアや育児相談、母児の交流を図る場として「子育て広場」の開催と、変わらず助産活動を展開しています。コロナ禍のため、2020年2月から「子育て広場」は休会を余儀なくされていますが、全くの偶然で、同年春にオンライン育児相談外来の開設をしており、試行錯誤しつつ充実化するべく模索中です。
また、尼崎市では、昨年10月から訪問型の産後ケア事業が開始されました。当院は受託施設となり一層のスキルアップが求められています。アドバンス助産師講習を基に、多職種と連携しつつコロナ禍の母児の支援を行っていきたいと当院も奮闘中です。
分娩の取り扱いを終了し、助産活動の場が外来のみとなり、ケアの対象も分娩に関わる事例だけではなくなりました。かつて、分娩で関わった方からライフステージの変化による自身のこと、成長された娘さんの月経に関することや子宮頸がんワクチンに対しての助言を求められるようになり、来院される方からも各々のライフステージに応じた相談が増えてきました。そこで助産師からの発案で女性の「どうしようか?」に寄り添いケアを行う助産師による「女性健康相談室どうしよう科」外来を開始しました。アドバンス助産師の更新要件ウィメンズヘルスケアに即した活動も始まり、日々研鑽の毎日を過ごしています。