アドバンス助産師Vol.15

2024.07.10

  • 【特集:アドバンス助産師を可視化する】
    助産師力を発揮するために~福島県助産師会の取組み~

    福島県助産師会では、アドバンス助産師を始めとする助産業務に関連した認証取得を推進しています。助産師力向上に資する取り組みをご紹介いただきます。

一般社団法人福島県助産師会 代表理事

小谷 寿美恵

 福島県では、助産所を開設する助産師が増加しており、約30施設(出張専門含)のうち1施設が分娩取扱をしています。開業助産師は産後ケアや家庭訪問などの母子支援、ベビーマッサージやプレママパパ講座、健康教育など、様々な活動に従事しています。福島県助産師会(以下当会)や地区会が受託した業務に、参加・協力することが多いですが、直接依頼や自主事業での実施もあります。

 

 当会の受託事業に参加を希望する助産師には、事業説明会への参加(1回/年)と当会が指定する研修会の受講を必須としています。昨年は、個人情報保護法やITに関する内容を必須研修とし、インシデント・アクシデント報告、グッドジョブ報告の提出を努力義務としました。
 助産師は、助産診断をして、ニーズに合ったケアを実施します。振り返りを行い今後の方針を決めます。丁寧な支援と記録、報告をすること、必要に応じて連携することで、市町村や医療機関と信頼関係を築いてきました。自施設の安全管理指針を作成し賠償責任保険に加入するなど、責任と自覚を持って安全に配慮した業務を実施することにつながっています。

 

 当会では、アドバンス助産師などの助産業務に関連した認証の申請・更新の推進を事業計画の重点目標に掲げています。
 2015年にアドバンス助産師の認証を受けた助産師は、来年2回目の更新を迎えます。認証推進の支援として、福島県では助産師を対象とした「アドバンス助産師申請・更新のための研修」の受講料の一部を補助する「福島県認定看護師等養成補助事業」があります。看護協会と協議し、福島県へ要望書を提出し実現したものです。当会としては、主催研修会を計画しており、費用負担の軽減に努めます。

 

 若手助産師はアドバンス助産師への憧れがあり、それを目指しています。タスクシェアや産後ケア、プレコンセプションケア、包括的性教育など、助産師の活躍の場は更に広がっています。先輩助産師のアドバンス助産師の申請・更新・再認証を推進し、安全で安心な妊産婦支援ができる、子どもを産みたい、育てたいと思える福島県になれるよう、助産師会として会員に向けた発信と支援をしていきたいと思います。

福島県助産師会会員による子育てサロンの様子。
サロンは、保護者同士の交流や子育てに関する情報交換の場でもある。

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