Vol.15
2024.07.10
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アドバンス助産師に対する期待
2024年5月開設された厚生労働省ウェブサイト「出産なび」において、分娩施設機能の項目として、アドバンス助産師数が挙げられています。引き続き、アドバンス助産師を含めた助産師一人一人の活躍に期待します。

公益社団法人日本看護協会 会長
高橋 弘枝
2023年度の我が国の出生数は、過去最少となりました。政府は、少子化に歯止めをかけるため、2022年6月こども基本法を公布し、半年後にはこども大綱を策定しました。こども大綱には、妊娠前から妊娠期、出産、幼児期までの保健・医療の確保を掲げ、多くの助産ケアや母子保健に関する事業と、その推進を目指しています。助産師は安全・安心な助産ケアと母子保健の充実に向け、助産師の専門性を発揮していくことが今、求められています。
アドバンス助産師の皆さまにはぜひ、標準的な助産ケアを自律して提供できる能力を客観的に評価された専門家として助産ケアの質向上にむけた役割を担っていただくことを期待しています。
さらに、今後は、より一層、女性の生涯にわたる健康サポートへの支援にも助産師の役割発揮が必要です。「助産師実践能力習熟段階(クリニカルラダー)CLoCMiP」2022年改訂版には、ウィメンズヘルスケア能力の習熟段階が明示されたことはご存じのとおりですが、アドバンス助産師の皆さまには、多くの女性たちのニーズに対して質の高いケアが届くよう、地域における女性の健康サポート体制の構築・充実にも取り組んでいただきたいと思います。
アドバンス助産師は、これまで、様々な社会的評価を受けています。2017年には医療計画における周産期医療の人材確保の指標にあげられ、2018年には診療報酬改定で新設された「乳腺炎重症化予防・ケア指導料」の算定要件に明記されました。 現在は、厚生労働省ウェブサイト「出産なび」において、分娩施設機能の項目として、アドバンス助産師数が挙げられています。
これらの社会的評価は、これまでのアドバンス助産師の皆様の活躍の成果です。引き続き、アドバンス助産師を含めた助産師一人一人の活躍を大いに期待いたします。