アドバンス助産師Vol.15

2024.07.10

  • 【アドバンス助産師ご当地情報】
    女性と子ども、その家族を支えるサポーター助産師

    出生数減少と分娩施設の集約化により、助産師が助産師らしく働ける場が少なくなりつつあります。一方、助産師を必要とする女性は増えており、助産師の活躍の場は広がっています。地域に根ざしたサポーター助産師の活動をご紹介いただきます。

公益社団法人秋田県助産師会 会長/ゆみっこ助産院 院長

古田 由美子

 ゆみっこ助産院を平成17年5月に開業して早や、19年目になります。ゆみっこ助産院は、女性のライフサイクルに沿った生涯に渡る健康支援と地域で楽しく子育て・自分育てができることを目的に、女性と子ども、その家族を支えるサポーター助産師として活動しています。

 

 支援方法は、電話やメールによる育児相談、来所や訪問での授乳支援。小中高校での講話活動。市町村のこんにちは赤ちゃん訪問や新生児訪問。そして各種教室を担当しています。また、10年前から秋田市内のクリニックで月に数回ですが、夜勤を行いながら、『いのちの誕生』の現場に携わっています。

 

 妊娠・出産・子育てを安心して安全に過ごせるように、分娩時には寄り添って痛みを和らげながら、家族と一緒に赤ちゃんを無事に迎えられるようにしています。その現場で得たことを自分の言葉で、秋田市内の小学校で実施している『絆の学習』や秋田県助産師会で担当している『いのちの大切さ出前講座』の中で、分娩時の親の気持ちや赤ちゃんも頑張って生まれてきている事などを話しています。

秋田県助産師会『いのちの大切さ出前講座』での筆者。
講座では、命の誕生の現場で得たことを次世代へと繋ぐ

 秋田県内のアドバンス助産師は39名です。そのうち地域で活動している助産師はわずか2名です。秋田県の出生数は年々減少し、分娩施設が集約化され、助産師が助産師らしく働くことも難しくなっています。

 

 助産師活動を様々な場所で継続していくためには、知識や技術をアップデートしていく必要があります。また助産師としての自分自身が成長しているかどうかを自己確認していくことも重要です。このような中、アドバンス助産師資格を取得しないとか、経済的負担などから更新しないとか、更新するのを忘れていたという声を秋田県助産師会の理事として耳にすることがあります。分娩件数が減少したとはいえ、助産師を必要としている女性は少なくなっていません。むしろ増えていると言ってもよいと思います。助産師として様々な活動を支えるためにはアドバンス助産師の仲間が一人でも多く増えることです。アドバンス助産師の必要性を発信するとともに、一人でも多くの助産師がアドバンス助産師となるように、働きかけを継続していきます。

 

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