Vol.11
2022.07.25
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アドバンス助産師への期待
アドバンス助産師として輝き続ける。それは、女性や、母子、家族や地域の抱える課題解決をするために学び続けること
公益社団法人 日本看護協会 会長
福井 トシ子
時間外勤務の多い産科医の負担軽減のために、助産師には院内助産や助産師外来を担当し、産科医の業務負荷軽減が期待されています。そのためか、助産実践能力習熟段階レベルⅢ認証制度について説明を求められる機会が増えました。多くの場合、「アドバンス助産師について知りたい」と言われますが、このように認証制度やアドバンス助産師の認知度が高まっているのは、大変喜ばしいことです。アドバンス助産師の皆さんはその実感があるでしょうか。
しかしながら、院内助産実施率は決して高まっておりません。平成30年に本会が実施した「院内助産・助産師外来の開設による効果に関する調査」1)によると、院内助産実施率は675施設中わずか89施設(13.2%)に過ぎませんでした。この助産実践能力習熟段階レベルⅢ認証制度は、院内助産や助産師外来を実践するために必要な能力を獲得し発展させていく制度です。アドバンス助産師の皆さんには、院内助産や助産師外来で力を発揮していただきたいと強く願っています。まだ開設されていない場合は、どうすれば開設することができて、妊産婦や母子、ご家族、地域の方々に貢献できるか知恵を出し合いたいものです。
2019年からは、助産師のコアコンピテンシーにウィメンズヘルスケア能力が加えられ、レベルⅢ認証が行われています。女性や、母子、家族や地域の抱える課題解決をするために、助産師のウィメンズヘルスケア能力が欠かせません。分娩件数が少なくなったとは言え、助産師に期待されている役割は大きくなる一方です。医師の働き方改革がなくても、助産師に期待される役割は変わっておりません。少子化が進んでいます。不妊治療も保険適応になりました。アドバンス助産師として学び続けることが必要です。さらなる丁寧なケアが必要です。
アドバンス助産師として輝き続けましょう。
本会は、アドバンス助産師の皆さんの活躍を可視化できるように、今後も尽力いたします。