Vol.13
2023.08.28
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【特集:こども家庭庁の機能とアドバンス助産師の役割】
「こどもまんなか社会」の実現に向けて地域の関係機関の連携においてご活躍いただく助産師さんが増えることを期待します。
こども家庭庁成育局母子保健課 母子保健指導専門官 内田 愛子
助産師の皆様におかれましては、日頃より母子保健行政にご理解とご協力をいただいておりますこと、御礼申し上げます。本年4月に、こども政策を社会全体で総合的かつ強力に推進していくための包括的な基本法として「こども基本法」が施行され、こども政策の司令塔として「こども家庭庁」が発足いたしました。こども家庭庁成育局母子保健課においても、引き続き、妊娠・出産の支援を行ってまいります。
妊娠・出産は女性にとって、心身の大きな変化を伴う人生の中でも重要な時期です。産後は、家族を含めた周囲の関心がこどもに向き、母親も自身のケアをおろそかにしがちですが、そのような時期に、母親が心身共に十分なケアを受けることが、産後に自信と余裕を持って子育てをしていく後押しになると思います。
妊娠期から子育て期にわたり切れ目のない支援を提供するためには、医療機関をはじめとした関係機関と自治体が連携し、地域全体で、妊産婦とそのご家族を支えていくことが重要です。自治体と医療機関等との情報連携について予め情報連携を求める場合の基準等を明文化しておくことや、連絡のフローや情報提供の様式等を定めておくことで、支援が必要な母親を確実に把握できるような工夫をしている自治体もあります。また、関係機関等で集まる定期的な会議体などを開催し、顔の見える関係を築くことなどにより、連携がスムーズとなるよう工夫がなされている場合もあります。こうした地域の関係機関の連携においてご活躍いただく助産師さんが増えることを期待しています。
「こどもまんなか社会」の実現に向けて、こども家庭庁においても、こどもの視点にたった政策を実現するとともに、引き続き、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供できるよう、健康診査や相談支援、産後ケア事業をはじめとした母子保健サービスの充実に努めてまいります。